
お腹が目立たない頃って意外にしんどい時期ですよね…。
そんな時、妊婦だということを知ってもらうために身に付ける「マタニティマーク」ですが、実際のところマタニティマークに対して、
- むかつく
- 嫌がらせや事件がある
- 不妊の女性に失礼なのでは?
といった反応があることが分かりました。
妊娠、出産は喜ばしいことなのに、いつからこんな世の中になってしまったのでしょうか…。
今回は、「マタニティマークはむかつく?嫌がらせ事件が多く不妊の女性に失礼?」といったテーマに基づき、どうしてそのような声が出ているのかを深堀りします。
「マタニティマークをつけていて良かった」という素敵なエピソードもお伝えします。マタニティマークをつけづらいと躊躇しているプレママさんは、ぜひ、読んでみてくださいね。
(トップ画像引用:厚生労働省)
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マタニティマークとは?

(画像引用:厚生労働省ホームページ)
マタニティマークは妊産婦に優しい環境作りを目指して、2006年3月に国から定められたマークです。ピンクのハート型の中に母子のイラストが描かれ、「おなかに赤ちゃんがいます」の一文が添えられています。
マタニティマークの目的
妊産婦が交通機関などを利用する際に身につけ、周囲が妊産婦への配慮を示しやすくする目的で作られました妊娠初期は、見た目だけでは妊娠しているかどうか分かりにくく、つわりが出やすいなど心身ともに辛いことの多い時期。
マタニティマークによって、周りの方が妊産婦だと気付いてくれるのは安心につながります。

筆者も車内でひたすら吐きづわりに耐えていたのを思い出します。
マタニティマークの誕生秘話

(画像引用:BABY in ME)
「BABY in ME」は、日本初・世界初のマタニティマークとして1999年に誕生ました。考案者はフリーライターの村松順子さん。
「妊娠初期のつわり症状を酔っ払いと間違えられた」という友人の体験談を聞き、マタニティマークを広めるきっかけになったそう。妊娠やマタニティという言葉を使わず、「BABY in ME」という造語を作り素敵なシンボルマークが生まれました。
この「BABY in ME」はメディアで紹介され、自治体でも需要が高まり厚生労働省の取り組みの発端になったと言われています。
マタニティマークがもらえる場所

マタニティマークがもらえる場所
- 母子手帳交付時にもらう
- 健診先の病院
- 厚生労働省のHPからダウンロードする(参照URL:厚生労働省)
- 鉄道会社の窓口
- 飛行機のチケットカウンター
- 安産祈願のできる神社で購入
- ネットショップで購入する
母子手帳とともに交付される場合や、JRや私鉄の主要駅でももらうえます。ネットではDisneyなどキャラクターの商品も販売されていますよ。
マタニティマークに対する反応

妊婦の方に優しい環境作りを目指して作られたマタニティマークですが、ネット上では
「むかつく」
「不妊の人に失礼では?」
「嫌がらせがあって怖い」
という声があがっています。Twitterからクチコミを収集し、真相を深堀りします。
「むかつく」の声
マタニティマークの人は優先した方がいいと思うけど、優先されて当然みたいな空気で割り込まれるとさすがにむかつく
— terias (@TeriasRoppus) June 4, 2017
電車で3日連続妊婦さんに席譲ってるんだけど全然当たり前の事なんだけど、マタニティマーク見えてるのに気づかないフリしてる人多すぎてむかつく!!!ありえない!!!!
— y (@vii_v_85) March 26, 2020
「マタニティマークを振りかざしていてむかつく」⇒妊婦さんに対する声
「マタニティマークが見えているのに席を譲らない」⇒一般人に対する声
このように、妊婦さんに向けたものと一般人に対する意見が見られます。
さらに、以下のような否定的な意見もあり、プレママさんを「妊婦様」と揶揄する声もあがっています。
否定的な意見
- 優先席に座らせろと言わんばかりに立っている
- マタニティマークを見せびらかしている
- 妊婦だからって偉そうにしている
- マタニティマークをつければ席を譲ってもらえると思っている
妊婦さんを守るためのマークですが、世間がこのような風潮になっていると、つけるのをためらってしまう気持ちも分かります。
嫌がらせや事件が多いの?
妊婦を狙った事件も起きています。
妊婦を狙った事件
2020年6月、北海道札幌市の路上で20代の妊婦の腹部を足で蹴ったとして、当時51歳の男性が暴行容疑で逮捕されました。7歳と5歳の子どもを連れた妊娠7ヶ月ママさんに対して、「道を塞いでいて邪魔だ」と暴言を吐き、大きなお腹を蹴ったという事件。
妊婦は走れないという理由から、マタニティマークを付けている人を狙ったひったくり被害も相次いでいるのだとか。その他にも、
- 後ろから突き飛ばされた
- お腹を叩かれた
- 優先席で舌打ちされた
- 電車内で席を譲ってくれた人から「わざとらしい」と言われた
- 妊娠は病気じゃないから席を譲りなさい
- 妊婦は場所を取るから電車に乗るな
- 若いのに優先席なんておかしい
と嫌がらせや暴言、暴力を受けた人もいました。
不妊治療中の方からの声
SNSでは不妊治療中の方からの意見も見受けられます。
不妊治療クリニックにマタニティマーク付けてこないで欲しいはわがまま???
— シカ子 (@mYrl5lEzhygb4sO) September 10, 2022
付けてきてもその時だけ隠すとか、配慮があっても良くないか??と思ってしまった。
街で見る分にはいいけど、クリニックで見たくないなぁ。
そのほかには、このような声も。
- 不妊治療の人の気持ちを考えて
- 妊娠していることをアピールしていてうざい
- 妊娠を自慢しているようにしか見えない
不妊治療中の方や流産を経験した方にとって、マタニティマークをつけた女性を見るのがつらいと感じてしまう場合があります。
マタニティマークはどれくらいの妊婦さんがつけている?
ピジョンが行った「マタニティマークに関する調査」によると、外出時にマタニティマークを付けている妊婦さんの割合は以下の通りです。

(画像引用:PRTIMES)
◆調査対象◆
・妊婦さん:20〜30代の妊娠中or1才未満の子どもがいる女性(400名)
・一般の方:子どもがいない20~50代の男女(200名)
※調査時期:2020年5月※地域:東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・福岡
マタニティマークに関する調査結果
- 必ずつけている…54.5%
- 日によってつけている…28%
- あまりつけていない…7.5%
- まったくつけていない…10%
日によって着けている人が3割近くと、場面に応じて対応している妊婦さんがいることが分かります。
マタニティマークをつけない理由

「あまりつけない」「まったくつけない」方もいます。マタニティマークをつけない理由は以下の通りです。
マタニティマークをつけない理由
- 「嫌な目にあうというニュース・情報を見た」:57.5%
- 「つける必要がある場面がない」:37.5%
- 「何のためにつけるか理由がわからない」:20.0%
SNSでも同様の意見がありました。
つけることに気が引ける
不妊治療専門のクリニックにマタニティマーク付けて行くの気が引ける。
— shii☺︎ 流産2回 移植②🧚♀️6w心拍確認 (@shii20220222) February 24, 2022
自分がそれ見てつらい時期もあったし。
今妊娠してるのはもちろん幸せなことだけど、この待合室にいる見知らぬ人たちみんながいつか同じ幸せを感じられますように。
みんな頑張れって気持ちになる。
つけても変わらない
>>RT
— 翠 3y♂ (@ponta63) October 3, 2018
かく言う自分も妊婦なんだが、マタニティマークは旦那と一緒の時しか鞄から出さない。出したところで何も変わらないし、席を代わってもらったことも一度もない。通勤時につわりでオエオエしてモタモタしてるところで押され、靴は踏まれて隅っこへそそくさと逃げてる。世知がないっス。
意味ない
最近満員電車がきつすぎて午前の仕事まで引っ張っちゃうから、早速マタニティマークつけたんだけど、そもそも座ってる人の前にすら行けないくらい混んでるから全く意味ない(笑)
— まる@初マタ 9w (@tokuri_23) April 18, 2023
見えないところに付けている
マタニティマークは付けない、付けても見えないところに。
— あさ (@asa3ikuji) September 23, 2019
抱っこ紐のバックルは見えないように上から羽織ものを。
"加害されるから"
もうなんなんだろう。
なんでこんなこと考えて暮らさないといけないんだろう。
悲しいね。
不妊の人の気持ちを考えてつけることに躊躇している人や、つけても席を譲ってもらえないので意味がないと思っているプレママさんも。また、怖い思いや嫌がらせ行為を受けないために、見えないところに付けているといった妊婦さんもいました。
どんな時にマタニティマークをつけている?
マタニティマークは、半数以上が常時着けているものの、日によってつける場所を選ぶ人もいるようです。
- 公共交通機関を利用する時
- つわりが酷い時
- 座っている時
近年では、いつもはバッグの内側にしまって、必要な時だけ見える位置につける人が多い印象です。また、不妊治療の経験があるので病院内ではつけない人や、
「仕事先で気を使わせてしまう」
「仕事は変わらずこなして行きたい」
という理由から、会社内ではマタニティマークをつけない人もいるようです。
マタニティマークの否定派がいるのはなぜ?

妊婦さんを守るためのマタニティマークですが、つけることに躊躇したり、つける場所を選んだりと、使いづらさを感じているプレママさんが多いのが現状です。こちらの章では、マタニティマークへの否定派がいる原因について調査します。
マタニティマークの認知度が低い
マタニティマークの認知度が低いことも、否定派の意見が出てしまう理由のひとつ。厚生労働省ではマタニティマークへの意識調査を実施しています。

厚生労働省によるマタニティマークに関する調査結果によると、
- マタニティマークを知っている人:45.6%
- マタニティマークを知らない人:45.7%
となっています。(参照:Yahoo!ニュース)
つまり、過半数以上の人がマタニティマークの存在を知らず、認知度の低さがうかがえます。さらに、男性は58%以上が知らないと答えていて、マタニティマークを見かけても妊婦への配慮が不十分で、適切な対応ができない可能性があります。
一般人と妊婦さんの認識のずれ
エコンテというサイトでは、
- 一般人の「マタニティマークへの認識」
- 妊産婦の「マタニティマークを身につけている理由」
を、それぞれ調査しています。(参照:エコンテ「マタニティマークに関する意識調査」)

(画像引用:エコンテ)
マタニティマークを「緊急時に知らせるもの」として身につけている妊産婦が半数以上なのに対し、一般の人は「サポートしてもらうためのもの」「アピールするもの」という認識が8割以上。このように、一般人と妊婦さんのマタニティマークに対する考え方のずれが生じています。
マタニティマークへの理解を広めよう
マタニティマークへの理解を広めるためさまざまな活動が広まっています。2013年以降、高速道路におけるマタニティマークの普及が進み、現在では多くのサービスエリアやパーキングエリアで優先駐車場にマタニティマークが掲げられています。

富士製薬工業株式会社では、都営地下鉄大江戸線の優先席エリアにおいてマタニティマークとのタイアップ広告を掲載しています。(※2022年9月1日より1年間)

(画像引用:富士製薬工業)
妊婦さんに寄り添った暮らしやすい環境を作るためには、マタニティマークを正しく理解することが大切です。
Amazonで「マタニティーマーク」を見てみる>>通勤緩和という制度もある
通勤中のストレスは、つわりの悪化や流産、早産につながる恐れもあります。厚生労働省では、主治医から妊婦さんに対して「通勤緩和」の指導があった場合、事業主による措置が法律で定められています。(参照:厚生労働省委託「母性健康管理サイト」)
通勤緩和の措置の内容例
- 時差通勤
- 勤務時間の短縮
- 交通手段・通勤経路の変更
公務員や一部の企業では、有給休暇を時間単位で取得できるようにし、通勤時間を短縮しても給料を維持できる取り組みもあります。

妊娠中の通勤はなかなかしんどいので、時間差通勤はとてもありがたいですね。
妊娠初期の体調が安定しない時期は、ニオイにも敏感です。しかし現在は、スマホ画面に夢中で、妊婦さんに気が付かない人もいるでしょう。
産休ギリギリまで通勤が必要な人は、「通勤緩和」の制度を活用しましょう。
マタニティマークの素敵なエピソード
マタニティマークをつけている人の素敵なエピソードを集めました。
躊躇していたけどつけてよかった!
最近やっとマタニティマークを外に出してつけるようになったんやけど、結構席譲ってもらえてありがたい…いろいろ嫌な噂も聞いてたから躊躇してたけどつけてよかったと今のところ思ってる
— ちょ (@4615FNDYDAwx4Hy) March 22, 2021
意外とおじさま方が譲ってくれる
声をかけてくれて嬉しかった
銀行の窓口に改姓の手続きに行ったら、窓口の方が私のリュックにマタニティマーク付いてるのに気付いて、「今何ヶ月目ですか? 体調は大丈夫ですか?」って声掛けてくれて嬉しかった☺️
— 留菜🦇😈 (@onelad2night7) September 12, 2022
素敵なエピソードも
とあるカフェでチーズケーキとカフェオレ☕️頼んだら、
— まめ®︎@2y0w (@mamechan0412) January 16, 2020
男性店員さんが私のバッグのマタニティマークに気付いて
「カフェオレ、カフェイン大丈夫ですか?デカフェの紅茶もありますよ」
「もっと広い席に変えますか?」
と声かけてくれたの嬉しかったな〜☺️✨
きっと家でも優しいパパなのかな〜🕺 pic.twitter.com/vZSTyINvzG
このように、嬉しい声も見受けられます。否定派の意見はごく一部に過ぎませんが、妊婦さんが心地よく過ごせる環境になるためには一般の方も正しく理解する必要があると感じています。

まとめ
「マタニティマークはむかつく?嫌がらせ事件が多く不妊の女性に失礼?」というテーマに基づいて深堀り調査をしました。否定的な意見があるのは、マタニティマークに対する認知度が低く、妊産婦と一般人の認識にズレが生じていることが原因です。
マタニティマークは、緊急時に役立ちます。急な体調不良が起きた場合、マタニティマークを見るだけで、妊婦であることを前提に適切に対処してもらえます。
嫌がらせや事件が怖く、つけるのに躊躇している人は、バッグの中にしのばせておいて、必要な時だけつけるようにしてもいいでしょう。マークの存在を広く知ってもらうことはもちろんですが、マタニティマークの目的を正しく理解することも大切です。
プレママさんに優しい配慮ができる世の中になってほしいと願うばかりです。ご覧いただきありがとうございます。