いい介護施設を見分けるには、パンフレットやネットからの情報だけでは分からないところがたくさんあります。これからご家族の入居を考えるなら、実際に見学に訪れて利用者やスタッフの様子を見ることが大切です。
この記事では介護系WEBライターめりもが、【家族目線】でいい介護施設を見分ける8つのチェックポイントをご紹介します。また、見学時の質問内容もまとめてあるので、この記事を読んでから見学に行けばスムーズにスタッフに質問ができるようになっています。
この記事は、これから施設選びをされるご家族のために【家族目線】で書いています。公式HPやパンフレットにはない介護施設の見分け方を独自に発信しているので、ぜひ参考にしてみてください
後悔しない施設選びのためにも、チェックポイントをおさえて見学しましょう!
見学の目的
介護施設の情報は公式ページやパンフレットから得ることができます。しかし、情報量が多くいい面しか書いていないため見学しないで入居してしまうと、「思っていた施設と違った」など後悔してしまう可能性も。
いい施設かどうか見極めるには直接見学に行って、スタッフの様子や利用者の生活風景、設備の充実度などしっかりと目で見て施設選びをすることが大切です。
見学時の注意点
施設を見学する時は以下の点に注意しながら見学をしましょう。
予約は必須
施設へ訪問する場合、急な訪問は控えましょう。予約なしの急な見学は十分な時間を確保できず、担当者からの説明が受けられない場合もあります。
また、スタッフや利用者の日常の予定を乱してしまう場合もあるため、しっかりとした説明を受けるなら事前に予約をしてから行見学しましょう。
予約時の流れ
予約時は以下の点をスタッフに事前に伝えておくと安心です。
予約時に伝えておくこと
- 見学日時
- 訪問人数
- 交通手段(駐車場の有無)
- 食事の試食の有無
- 見学したい場所
見学時の時間帯
見学時の時間帯は昼食時、レクリエーションの時など人の多い時間帯に行くのがおすすめ。利用者やスタッフの普段の様子が分かるほか、スタッフ同士の関係性や利用者の男女比のバランスも分かります。レクリエーションに参加している利用者の表情や会話から、「落ち着いてくらしているな」「生活にハリが合って楽しそう」といった場面を感じ取ることができます。
また、食事については試食可能なホームも多いので、見学の際には下記の点に注意して試食をしてみましょう。(試食についてはポイント⑧で詳細を解説しています。)
複数人で見学に行く
見学に行く時は1人ではなく複数人で行くのがおすすめです。複数人で行けば一人では気付けない点に気が付きそれぞれの視点で判断ができます。
小さな子供は感染症や、走り回って転倒に巻き込む恐れもあるため、遠慮しましょう。
利用者への配慮
施設見学はホームの生活にお邪魔するわけですから、利用者へ配慮しマナーを守って見学しましょう。中には大きな声や動きなどに敏感な方もいるため、できるだけ静かに見学しプライベートな空間を乱さないようにすることが大切です。
また、利用者に勝手に話しかけたけたり、写真を撮影したりする行為も控えましょう。
いい施設を見分ける8つのチェックポイント
施設見学時の見ておくべきポイントをご紹介します。
ポイント①施設へのアクセス
施設までの交通手段、最寄り駅からのアクセス、車でも訪問できるかといった建物の立地は家族にとってとても大切です。
「家族が訪問しやすいか」といった視点でチェックしましょう。
家族に会う回数が多いと、利用者も気持ちが豊かになり施設生活もより充実したものになります。家族の訪問は、入居後の生活環境の変化で孤独感や不安を和らげることもできるので、頻繁に通える、通いやすい施設を選ぶことがポイントです。
ポイント②施設の周辺環境
- 散策スポット
- スーパー・ドラッグストア・飲食店
施設周辺の環境もしっかり見ておくことが大切です。スーパーやドラッグストアなど日用品の買い物や飲食店があれば、家族と一緒に外出を楽しむこともできます。
また、日光浴や歩行訓練を行うには徒歩圏内に公園などの散策スポットがある点も見極めポイント。自然豊かな環境は、季節の移り変わりを感じることができる大きなメリットです。
ポイント③居室の設備
居室内の設備については、
介護用ベッド、クローゼット、エアコン、トイレ、洗面台、ナースコールなど
どこまで揃っているのか把握し、持ち込み可能な家具や家電も事前に質問しておきましょう。
愛着のある調度品や思い出の写真を持ち込んで自分らしいお部屋にコーディネートすれば、自宅にいたころと変わらない環境で生活が続けられます。
ポイント④共有スペース
居室以外の時間も利用者にとっては大切なくつろぎ時間です。ゆったりとくつろげるスペースや、利用者同士談話を楽しめる場所があるか「共有スペース」もしっかりと見ておきましょう。
介護施設の中には、最新のリハビリ機器が揃ったリハビリルーム、屋上テラス、天然温泉など共有スペースが充実している施設もたくさんあります。
また、寝たままお湯に浸かれる特殊浴や、座ったまま入れる機械浴があれば介護度が上がった場合も安心です。中にはカフェスペース、シアタールーム、カラオケルームなど娯楽施設が整っている施設もありますよ。
ポイント⑤清掃状況・メンテナンス
施設内の掃除が行き届いているか、清潔な環境で過ごせるかということも大きな見極めポイント。
施設に入って必ずチェックしてもらいたいのが、施設内の「におい」。
特に水回り、トイレは匂いが出やすいため、清掃が充分に行き届いているかが見極められます。施設によっては、定期的にクリーニング専門スタッフが清掃しているホームもあるので、メンテナンスについても確認しておきましょう。
また、施設内の観葉植物は枯れていないか、掲示板や施設内の飾りつけも季節に合わせて飾りつけされているかという点もポイント。スタッフが工夫をして細かな気配りがある施設なら、入居者にもきめ細やかなサービスができという判断材料になります。
施設内のメンテナンスが不十分だと、人員不足などなんらかの原因を抱えているケースもあり介護への不安が高まるので、そのような施設は利用を見送った方がいいでしょう。
ポイント⑥スタッフの対応
スタッフの身だしなみは清潔か、訪問した方への挨拶はできているか、利用者に対する言葉遣いは荒くないかという部分も確認しましょう。スタッフが入居者を良く観察しているか、放置していないかなどスタッフの利用者への対応を見れば、施設内の雰囲気が感じ取れます。
施設生活がはじめてという高齢者の方は、自分の悩み事や困りごとをついつい我慢してしまいます。そんな時に気持ちに寄り添って相談に乗ってくれるスタッフが近くにいれば、離れて暮らす家族も安心してお任せできます。
さらに、介護スタッフの年齢層や、スタッフ同士の関係性も見学時に見ておきましょう。経験豊富なベテランスタッフから若い方まで幅広い年齢層のスタッフが在籍する施設なら、活気のあるバランスのとれた環境で充実した毎日を過ごすことができますよ。
ポイント⑦利用者の暮らしぶり
スタッフの様子はもちろん、施設を利用している入居者の表情が穏やかなのか、身だしなみはきちんとしているかという点もチェックポイント。また、部屋に閉じこもっている利用者はいないのか、レクリエーションなどで利用者に声掛けして楽しい時間を作っているかも確認しておくと安心です。
また、利用者の男女比や年齢構成、要介護の人の割合などによっても施設の雰囲気が変わるため、スタッフに質問しておきましょう。
ポイント⑧食事内容
施設内に貼られている食事のメニュー表で、どんなバリエーションの食事を提供しているのかを見ておくと食事内容が把握できます。
また、食事は施設内の厨房で作っているのか、季節感が反映されているかという点もチェックしましょう。
咀嚼、嚥下困難な方へのきざみ食、ソフト食、嚥下食や、カロリー制限食、減塩食といった治療食など個々の身体の状態に合わせた食事形態に対応しているかもポイントです。
見学時に可能であれば試食させてもらい下記のポイントを抑えて試食をしてみましょう。
試食時のポイント
- 食事はどの場所でいただくのか
- 車椅子の方もテーブルに着席できるか
- 一口サイズが適切か
- 飲み込みやすい柔らかさか
- 味付けは濃すぎないか
- 器や見た目にもこだわりがあるか
- 温かい状態で提供されているか
- 行事食、誕生日食などの特別食が提供されているか
栄養バランスはもちろんですが、「高齢者の方が食べやすい食事か」という点を意識して試食を行いましょう。 施設での食事は、入居者の生活の中でも楽しみな時間です。楽しく会話をしながら家族団らんの雰囲気の中で食べられると食欲も湧きますよね。
また、いつもよりちょっぴり豪華なイベント食など「楽しく食べる」機会があれば、食欲増進も期待できます。壁に貼られているメニュー表などを見て、食事のバリエーションも確認しておきましょう。
見学時の質問内容もチェック
見学時担当スタッフに聞いておくべきことをまとめました。
- 契約内容(入居条件・費用)
- 協力医療機関
- スタッフの人員配置
- リハビリ体制
- ホーム長と直接話す
入居条件
介護度の変化により途中で退去しなければならない場合もあるため、入居条件、退去要件、認知症の受け入れ可能か事前に質問しておきましょう。
費用
介護施設の中には入居一時金や前払い金など初期費用が掛かるケースもあります。初期費用の有無、月額費用の目安を確認しておくと安心です。
また、パンフレットの資料には日用品、医療費、レクリエーション費などは含まれていないため、別途費用についても聞いておきましょう。
医療機関
協力医療機関の病院名、立地、診療科目、通院介助があるのかどうかも聞いておくと安心です。緊急時の体制、24時間のオンコール体制が整っているのかも確認しておきましょう。
スタッフの人員配置
通常の介護施設の人員配置は、入居者3名に対して介護スタッフ1名という国の基準がありますが、施設によってはそれを上回る人員で手厚い介護が受けられる施設もあります。
重要事項説明書を通して介護スタッフ、看護師の人員配置体制や有資格者の割合を確認できます。夜間の対応人数、看護師は日勤なのか常勤なのかといったところも細かくチェックしておきましょう。
ホーム長と話す
ホーム長から話を聞く機会があれば、施設の運営方針やスタッフ教育についての考え方を聞いておくのがおすすめです。施設の特徴やアピールポイントを聞いておくと、最終的な判断材料となりますよ。
まとめ
介護施設の見学時の注意点、いい施設を見分ける8つのチェックポイント、見学時の質問内容を紹介しました。せっかく見学に行くなら前もってチェックポイントを抑えてから行くと安心です。
- 施設へのアクセス
- 施設の周辺環境
- 居室の設備
- 共有スペース
- 清掃状況・メンテナンス
- スタッフの対応
- 利用者の暮らしぶり
- 食事内容
気になることは遠慮なく質問し、1回の見学で確認できなければ再度見学予約をしましょう。
ぜひ、こちらの記事を参考にして、ご家族と利用者の方が納得のいく施設選びができることをお祈りしています。