目を閉じてリラックスすると、確かに頭がスッキリして疲れが軽減されたような感覚になりますよね。しかし、目を瞑るだけで得られる効果を感じるものの、
- 目を瞑るだけで寝たことになるの?
- 目を閉じるだけで疲れは取れるのか?
という疑問も湧いてきます。本記事では、書籍や医療機関、大学の研究事例からさまざまな角度で、上記の説は嘘か本当か、その根拠を検証します。
参照サイト・文献
- 厚生労働省「国民健康・栄養調査」
- 国立精神・神神経医療研究センター
- うつ病 国立精神・神経医療研究センター
- 筑波大学・国際統合睡眠医科学研究機構長の柳沢正史氏
- 日本メンタルアップ支援機構・代表理事大野 萌さん
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日本人の睡眠時間は世界で最も短い
(画像引用:BUSINESS NETWORK)
日本人は「世界一眠らない国」と言われているのをご存じですか?日本の平均睡眠時間は、
7時間22分
2021年に発表された経済協力開発機構(OECD)の平均睡眠時間の各国比較によると、先進国を中心とした世界33か国のうち、日本は最も短い結果に。これは加盟国の平均睡眠時間「8時間27分」を1時間以上も下回る数値です。
また、厚生労働省の2018年の調査では、「睡眠で休養が十分に取れていない人」の割合は21.7%と、日本人の5人に1人が睡眠に悩みを抱えているという実態が明らかになっています。
睡眠不足が招くリスク
睡眠不足が続くと以下のようなリスクが発生します。
- がん・脳卒中など五大疾病の罹患リスク
- 生産性の低下
- 肥満のリスク
- こころへの影響
睡眠不足の状態が続くと、がん・脳卒中・糖尿病・高血圧などさまざまな病気のリスクにつながります。睡眠を7から8時間取っている人に比べ5時間未満の人は、糖尿病リスクが2.5倍高まるという報告もあります。(参照:三共ヘルスケア)
また、睡眠不足は体重増加をもたらす要因のひとつ。睡眠時間が短い人は、食欲抑制ホルモンである「レプチン」の分泌が減少し、食欲増進ホルモン「グレリン」が増加します。
また、集中力が低下し生産性が軽減するほか、こころの健康にも影響を及ぼします。うつ病 国立精神・神経医療研究センターの研究によると、1日に4時間半ほどしか眠らない睡眠不足が5日続くと、不安や混乱、抑うつ傾向が強まることが報告されています。(参照:Science Portal)
目を閉じるだけで疲れは取れるのか?得られる効果とは?
仕事や勉強に集中しすぎると、頭が重くなったり、目の奥が痛くなったりとさまざまな疲労を感じます。そんな時、「目を閉じるだけで疲れは取れる」という話を聞いたことがありますよね?
果たして、目を閉じるだけで本当に疲れは取れるのでしょうか?こちらの章では目を閉じることで得られる効果について詳しく解説します。
目の疲労回復
目を閉じると涙が瞳全体に行きわたり、眼球に充分な養分と水分が補填されます。また、「ピント調節」をする必要がないため、網膜や外眼筋が休まり、目の疲労を回復することができます。
脳の休息
目を瞑るだけで約70%の睡眠効果があると言われています。目を閉じると脳に入ってくる視覚情報がすべて遮断されるため、脳は休息した状態になります。
パワーナップ(昼寝)では、目を瞑るだけでも脳の処理を約8割軽減させるため、目を閉じて光を遮断することで脳を効率的に休ませることが可能です。
近年では、パワーナップを導入している企業も増えてきています。
パワーナップに関する記事はこちら
【パワーナップ】導入企業急増中!目を瞑るだけの効果とは?何分?起きれない?デメリットは?
リラックス効果
目を瞑ると「シータ波」と呼ばれる脳波が出現します。
シータ波とは
「シータ波」とは、アルファ波よりも深いリラックス状態で観察される脳波のこと。
シータ波は、ちょうど眠りにつく前のウトウトした状態にみられる周波数で、アルファ波よりもリラックス効果が高いと言われています。脳をシータ波にすることで、左脳を休ませ右脳優位になり、安定したフラットな精神状態になります。
目を瞑るだけで寝たことになるのか?
「目を瞑るだけで寝たことになるのか?」
結論から言うと、目を瞑るだけで寝たことになるという説は「嘘」。つまり、目を閉じるだけで疲れは取れるものの、
完全に寝たことにはなりません。
この件については、睡眠研究科や医療機関などさまざまな意見が交わされています。一部の医療機関では、「逆効果」であるという見解もあります。
こちらの章では、3つの見解について解説します。
ベッドを「眠れない場所」と認識させてしまう
睡眠研究の世界的権威である「筑波大学・国際統合睡眠医科学研究機構長の柳沢正史氏」の見解によると、
「眠れない時は目をつむって横になるだけでもいいって本当?」に対する答えは
「いいえ」「やめてください」
と注意喚起をしています。(参照:HUFFPOST)
人は条件付けによって行動を学習します。眠れないのにベッドに横になり目を瞑るのを繰り返すと、ベッドは「眠れない場所」と認識してしまうのです。
一度この認識が定着すると、ベッドに入るだけで不安や焦りが生まれ、ますます眠れなくなるという悪循環に陥ってしまいます。柳沢氏は、「眠れないときは一旦起きて、ベッドから出ること」を推奨しています。
負のスパイラルに陥る
日本メンタルアップ支援機構の大野 萌さんによると、眠れない時に暗くした部屋で横になっても、
悩み・不安・ストレス
など嫌なことを考えてしまい、負のスパイラルに陥ってしまう可能性を示唆しています。大野氏も『思い切って部屋を明るくして起きること』を推奨しています。
眠れないことで必要以上に罪悪感にとらわれることはなく、むしろ、気持ちが楽になり、眠りにつきやすくなったという感想も多く寄せられているそうです。(参照:東洋経済)
脳にとっては苦痛でしかない
市ヶ谷整体院の院長によると、
「目を閉じて横になっている状態では、身体は休まっていても脳が休まっていない場合がある」
とのこと。(参照:市ヶ谷整体院)
特に、夜中に眠れなくて焦っている人は、いくら瞳を閉じてもリラックスできず、8時間ただ目を閉じてじっとしている状態は、脳にとって苦痛でしかないと述べています。眠ろう眠ろうと脳が活発に働き、ストレスが溜まり朝にはぐったりとした状態になる可能性があります。
目を瞑るだけで寝たことになるという説は、むしろ逆効果になるとしています。
3名の見解を検証すると、特に不眠の方にとっては「目を瞑るだけで寝たことになる」という考え方は、むしろその症状を悪化させてしまい、逆効果になることが指摘されています。
不眠症状がある方や日々の睡眠不足に悩む方は、医療機関へ相談し専門的なサポートを受けることが大切です。
目を閉じるだけで疲れを取るための効果的な方法
こちらの章では、目を閉じるだけで疲れを取るための効果的な方法をご紹介します。
目を温める
目の周りには、血行を促進し、筋肉の緊張をほぐすツボが集中しています。目の周りを温めると、目の疲労や疲れがより軽減され、リラックス効果も期待できます。
レビュー
- 心地いい温度でよく眠れます
- 疲れが取れるのでよいです。よく眠れます
- ポカポカ暖かくて、大きさも顔半分くらい隠れるのでしっかり暗くなり眠れます
- これを使用するようになってからしっかりと眠れ、スッキリと起きれるようになりました
暗い部屋で目を閉じる
暗い部屋で目を閉じると、光による刺激が減少し、脳がリラックス状態になります。また、部屋が暗いほど睡眠ホルモンの「メラトニン」が分泌され、副交感神経が優位になり、入眠しやすくなるというメリットもあります。
真っ暗な場所が苦手な人は、間接照明やフットライトを活用しましょう!
レビュー
- 真っ暗なのが苦手なのでつけたまま寝ていますが明るすぎて眠れないこともありません。
- 子どもが「明るくないと怖くて寝れない」とのことで購入しました。
- 設置場所も選ばずとても使い勝手がいいです。
- 玉電球と同じくらいの明るさも選べるので、寝室環境が整いました。
耳栓をつけて音をシャットアウトする
耳栓は、目を閉じた時の耳からの情報をシャットアウトしたい方にとって効果的なアイテムです。
音によるストレスを軽減して、心身をリラックスさせましょう!
レビュー
- これを付けてから、物音で起きることがなくなった
- これを購入してからはよく眠れるようになり、睡眠の質が変わった
- これのおかげで、毎日しっかり朝まで十分に睡眠が取れ、毎日幸せです
- 入眠に時間がかかるタイプですが、気づいたらスッと深い眠りについています
アロマを焚く
アロマに含まれる香りは、脳波や心拍の興奮が鎮静される作用が認められています。質の良い睡眠におすすめなアロマは以下の通りです。
おすすめのアロマ
- ラベンダー
- カモミール
- スイートオレンジ
- ヒノキ
- サンダルウッド
- ゼラニウム
ラベンダーに含まれる酢酸リナリルという香り成分は、副交感神経の活動を促進させる働きがあります。香りを嗅ぐと精神バランスが整い、こころを落ち着かせてくれますよ!
睡眠中は火を使うアロマは危険なので、電気タイプのキャンドルウォーマーやアロマストーンを活用しましょう!
キャンドルウォーマーの記事はこちら
【キャンドルウォーマーランプ】匂いしない?危ない?火事のリスクは?デメリットを徹底
温かい飲み物を飲む
温かい飲み物は、精神をリラックスさせる効果があります。目を瞑って疲れを取るには、温かい飲み物で疲れた体を癒しましょう!
【おすすめのホットドリンク】
「甘酒」:深い睡眠を助ける
「豆乳」:疲労回復効果
「ルイボスティー」:ノンカフェイン
「ココア」:自律神経を整える
「緑茶」:ストレス軽減作用
「ハーブティー」:リラックス効果
お気に入りのホットドリンクを見つけてくださいね!
まとめ
「目を瞑るだけで寝たことになるのは嘘?目を閉じるだけで疲れは取れるのか?」という説の根拠を検証しました。
「目を瞑るだけで寝たことになる」わけではありません。
このような考え方は、不眠症の人にとっては症状を悪化させる傾向があるので注意が必要です。しかし、目を閉じるだけで疲れは取れることは実証されています。
効果には個人差があるため、眠れない場合は無理に寝ようとせず、リラックスできる方法を見つけてくださいね!ご覧いただきありがとうございます。