CMで目にする「つなぐよ子に」で有名なユニセフ。貧しい国の子どもたちのために少しでも寄付して支援したい方がいる一方で、「ユニセフは怪しい?募金しつこい?うざい?」と、疑念を抱いている方も多いのではないでしょうか?
今回はユニセフについてのクチコミを洗い出し、
- 本当にユニセフは怪しい団体なのか
- なぜそのような悪いクチコミがあるのか
を徹底検証しました。
ユニセフとはどんな団体?
(画像:ユニセフ)
ユニセフ(UNICEF)とは国際連合児童基金のことで、ニューヨークに本部をおき、すべての子どもの命と権利を守るために、約190カ国の地域で支援活動をしている団体です。日本では、ユニセフと協定を結んでいる「日本ユニセフ協会」が、広報活動や政策提言を通して国内から寄付金を集めています。
ちなみに、2021年度、日本国内における募金総額は237億2,310万287円となりました。(参照:日本ユニセフ協会)
悪いクチコミ調査
多くの募金が集まるユニセフですが、ユニセフに対して、「怪しい?」「募金しつこい?」「うざい?」というような、悪いクチコミは本当にあるのでしょうか?こちらの章では以下のサイトから、
- Yahoo!知恵袋
- 個人ブログ
- SNS(Twitterなど)
ユニセフに対するクチコミをピックアップし、悪いクチコミを検証していきます。
【募金活動】についての悪いクチコミ
【募金活動】について
- ユニセフのジャケットを着た人が、パンフレットを押し付けるように渡してきてうざい
- 街頭募金活動がしつこい
- 善意の押し売りと感じる
- 募金しないだけでこちらが冷たい人間のように卑下される
募金活動についての悪いクチコミが目立ちます。
【寄付金】についての悪いクチコミ
【寄付金】についてのクチコミ
- ユニセフは募金したお金の開示をしているのですか?
- 12月にまとめて募金をしたら、毎月決まった額を募金すれば予算が立てやすいと言われた
- 募金から給料が支払われているのでは?
- 募金の詳しい使い道の報告がなく怪しい
寄付金の使い道について、疑問の声が多く寄せられています。
【広告】についての悪いクチコミ
【広告】についてのクチコミ
- 大量のCMが頻繁に流れてきてうざい
- 広告費に募金が使われているのがおかしい
自分が寄付したお金が広告費用に使われていると考えると、ちょっと…。
その他のクチコミ
【その他】のクチコミ
- 日本ユニセフ協会を勝手に名乗っている
- 国内では災害や貧困で四苦八苦して過ごしている人もいるのに、海外募金活動をするのはおかしい
- 募金しても海外の子どもたちに本当に届くのか分からない
- 国自体が変わらないと貧困を救えないのでは?
- 日本ユニセフ協会大使であったアグネス・チャンさんが、豪邸に住んでいるのはおかしい
このように、そもそも「ユニセフ協会」に対していいイメージを持たない人もいるようですね。
本当にユニセフは怪しい団体なのか?
(画像引用:ユニセフ)
「ユニセフは怪しい?募金しつこい?うざい?」と悪いクチコミにもあるように、悪いイメージを持っている人が一部で存在します。本当にユニセフは怪しい団体なのでしょうか?
結論から申し上げると、
ユニセフは実績があり信頼できる団体
であることは間違いありません。
『世界中の子供の命と健康を守る』というミッションのもと、個人の募金だけではなく企業からも寄付金を集めています。1946年国連機関として設立して以降、長期的な支援活動を通してスケールの大きい活動を続ける団体です。
そのため、世界からの認知度も高く実績と信頼があります。
悪いクチコミの理由を徹底検証
この章では、なぜ「怪しい?おかしい?募金しつこい?うざい?」といったマイナスの評価がつくのか、深堀り検証していきます。
ユニセフと日本ユニセフ協会の違いを理解していない
クチコミの中には「日本ユニセフを勝手に名乗っている」と、疑いの目を向けている人も。「日本ユニセフ協会」は、ユニセフと協力協定を結んでいる公式な窓口です。
(画像:ユニセフ)
世界ではアメリカ、イギリス、オーストラリアなど33カ国の先進国が協力しており、日本では公益財団法人として募金、広報、政策提言活動を行っています。そのため、
日本ユニセフを勝手に名乗っている
という認識は間違いです。
広報活動費は多くの寄付金を集める大切な手段
日本ユニセフ協会はSNS、CM、出版物などの広報活動を通じて寄付金を募り、ユニセフ本部に届ける役割があります。すなわち、広報活動は、多くの寄付金を集める大切な手段です。
しかし、
募金が広報活動費として使われるのはおかしい
と間違った考えを持つ人もいます。
参照:日本ユニセフ「収支解説」
ユニセフの2021年の支出内訳をみると、総収入のうち
- ユニセフ本部への支出…82.6%
- 日本国内における広報、アドボカシー活動のための事業費…17.4%
となっています。どの寄付団体でも、収入の15〜25%は広告費に充てられることが多く、支援活動を知ってもらうにはある程度の広告費が必要です。
そのため、募金が広告費に使われることはおかしいことではなく、団体としての取り組みや正しい情報を伝えていくために欠かせない資金源となります。
資金の使い道は活動報告で確認できる
集めた募金の使い道については、
「詳しい使い道の報告がない」
「開示していない」
このように、公式ページを確認せず、悪い噂が広がっています。
ユニセフ公式ページでは、直近の一年間の活動報告を開示しています。(参照:ユニセフ活動報告)
世界の5歳児未満の死亡数は、1990年の1250万人から2019年には520万人と半分以下に減少。過去最少になったことが報告されています。
また、寄付金の使用用途についても、細かい情報を開示しています。
- 教育施設の提供
- タブレットを使った遠隔の学習支援
- 安全な水の提供
- 障害児支援
- 自然災害への人道危機支援
使途不明金など、目的が明らかでないものはありません!
詐欺団体の可能性もある
あまりにもしつこい募金活動は、もしかしたらユニセフを語った詐欺団体の可能性があります。また、近年ではTwitterを利用した、SNSの詐欺行為も報告されています。
リツイートすると1円、フォローすると1円
寄付を手伝ってくれれば30%あげる
最近では、
〇円支払えば優先してワクチン接種が受けられる
といった新型コロナウイルスに便乗する募金詐欺も。
中には、日本ユニセフ協会を名乗った偽アカウントも存在するようです。このような詐欺行為は、募金の強要や圧迫感のある寄付金集めをする悪質な詐欺団体なので、注意が必要です。
ユニセフの親善大使は無報酬で活動に協力している
(画像引用:ユニセフ)
初代のユニセフ親善大使であるアグネス・チャンさんは、現地の厳しい環境や子供たちの様子を伝え、広報活動に協力しています。東日本大震災の緊急募金には、1000万円をはじめ、個人でも毎年多額の寄付をしている方です。
ユニセフの公式ページでは、下記の記載があります。(ユニセフ親善大使)
「ユニセフ親善大使は、世界の子どもたちが直面する問題を訴え、子供たちの支援を呼びかけるため、全くの無報酬で、ユニセフの活動に協力くださっています。」
現在、日本ユニセフ協会では、現役のプロサッカー選手である長谷部誠さんが、親善大使として協力しています。
(画像:ユニセフ)
アグネス・チャンさんは、2016年3月に17年におよぶ日本ユニセフ協会大使としての活動が認められ、ユニセフ・アジア親善大使(地域大使)に就任しています。
なぜ、アグネスチャンさんへの誹謗中傷があるの?
ここで筆者の余談ですが、(あくまでも余談としてお受け取り下さい)
アグネス・チャンさんがクチコミで話題になっているのは、昔テレビ番組で立派な豪邸が紹介されたことが原因とみられています。おそらく、貧困の子どもたちを救おうとしている人が、『自宅の豪邸を披露している姿』に世間の反感を買ってしまったと考えられます。
しかし、豪邸の公開はアグネス・チャンさん自身の意図ではなく、テレビ局側が企画したもの。多くの人々の興味を引くのがテレビ局の仕事です。
このような情報をネタにして、批判的な感情をネットやSNSで拡散する行為は、大きな社会問題へと発展します。
ユニセフについて疑問を持っているなら、公式ページで正しい情報を確認して欲しいと筆者は思います。
さて、ここまでは「ユニセフは怪しい?おかしい?募金しつこい?うざい?」について、悪いクチコミを検証してきました。このようなマイナス評価は単なる噂にすぎません。
実際、ユニセフ募金に対するいいクチコミもたくさんありました。
ユニセフのいいクチコミ
マンスリーサポーター会員の声が、公式HPで確認できました。(参照:ユニセフ・マンスリーサポート・プログラム)
30代男性
毎月、銀行口座から寄付金が引き出されるのを通帳で確認するたびに、そのお金が見知らぬ土地の、見知らぬ人たちの役に立っていると実感して幸せな気持ちになります。また、自分の寄付金だけでは微力であっても、多くの人たちが寄付をすることで、「小さな力が、大きな力になる」と信じることができます。
40代女性
女性先進国でも増えている子どもの貧困や環境の不平等に危機を感じており、少しでも子どもの幸せにつながることに貢献できるのなら嬉しいと思いサポートをはじめました。ユニセフ・ニュースを通し、現状や課題を知ることができるのでありがたいです。
60代男性
私が小学校の時に脱脂粉乳をいただいておりましたが、50代の時初めてユニセフからの支援だったことを知り、初孫の誕生をきっかけに世界の子どもたちへも何らかの支援をしたいと思ったから。
このように、さまざまな年代から支援を得ています。60代の方の体験談にもあるように、第二次世界大戦後ユニセフは。1949年から1964年までの15年間にわたり、給食用の粉ミルク(脱脂粉乳)、くすり、服の原料など総額65億円もの支援活動を実施しました。
今の自分の生活があるのも、ユニセフの支援があったからこそだと感じます。その感謝の気持ちを、今困っている世界中の人々に寄付金という形で恩返しできるのは素晴らしいことですよね。
寄付を考えている方へのワンポイトアドバイス
これから寄付を考えている人は「怪しい?おかしい?募金しつこい?うざい?」といった悪い噂を信じてはいけません。寄付する時のワンポイントアドバイスをご紹介します。
知名度のある企業や活動実績のある団体を選ぶ
(画像:custom media)
日本国内には日本ユニセフ協会だけではなく、
- 日本赤十字社
- あしなが育英会
- 赤い羽根募金
- Yahoo!ネット募金
など、さまざまな支援団体があります。今後、少しでも役に立ちたいと考えているなら、知名度や活動実績のある団体を選ぶといいでしょう。
そのような団体は、収支報告を公式サイトで開示しており、寄付金の使い道が明確です。公式ページ等で活動報告を確認できるので、安心して慈善活動に参加できますよ。
近年では
などのSNSを通じて、活動報告している団体も多いですよ。
ボランティア活動に参加してみる
(画像:ユニセフ)
支援団体のビジョンや取り組み内容をより深く理解するなら、団体が行う「ボランティア活動」に参加してみるのがおすすめです。日本ユニセフ協会では、以下のようなボランティア活動を実施しています。
- ユニセフ活動の資料発送や仕分け
- 展示スペースの案内、ガイド
- 広報写真データの整理や入力
- 外国コイン募金の仕分け
さらに、大学生向けのたチャリティーイベントの企画や物販、SNSを使用したプロジェクト活動、海外の事業所へのインターンの参加も可能です。インターンに参加すれば、子どもの支援に関わり合いながら、グローバルな視点で国際情勢の知識や経験を深める活動ができますよ。
ボランティア経験は就活の自己PRにもつながりますよ。
悪い噂に流されず自分の考えを持って
「国内では災害や貧困で四苦八苦して過ごしている人もいるのに、海外募金活動をするのはおかしい」
「国自体が変わらないと貧困を救えない」
このように考える人もいるでしょう。しかし、海外募金への考え方は人それぞれですし、団体によってビジョンも異なります。
そのため、募金活動の批判や、寄付をする人を否定するのではなく、信頼できる団体を見つけて、自分の考えを持って支援活動をすることが大切です。
まとめ
「ユニセフは怪しい?おかしい?募金しつこい?うざい?」というテーマに沿って、悪いクチコミを徹底検証してきました。しつこいようですが、ユニセフは活動実績のある信頼できる団体です。
間違った認識や、ユニセフを名乗った詐欺団体があるという理由から、悪いクチコミが広まっていると考えられます。公式ページでもこれらの誤情報やデマに対して注意喚起を促しています。
この記事に辿り着いたあなたは、きっとどこかで貧しい子どもたちを助けたい想いがあるはずです。寄付を考えている方へのワンポイトアドバイスを参考にして、慈善活動への理解を深めてみてはいかがでしょうか?