貿易事務で働いてきたけど、「残業が多いから転職したい」「キャリアアップを目指して転職を視野に入れている」という人もいらっしゃると思います。あなたが貿易事務として培った経験は、転職先での大きなアピールポイントとなります。
一体どんな経験が採用につながるのか、次の転職先で活かせるスキルがどんなものかをご紹介します。この記事を読めば、あなたの転職活動にきっと役立ちます。
また、実際に筆者が転職した業界と、貿易事務からのおすすめの転職先を5選ご紹介します。
筆者が実際に転職した業界も紹介します!
この記事がおすすめの人
- 貿易事務からキャリアアップしたい人
- 貿易事務から異業種に転職したい人
転職先で活かせる貿易事務のスキル
転職活動を始める前には自己分析が大切です。貿易事務で身に付いたスキルを洗い出して、しっかりと転職活動に活かしましょう!
コミュニケーションスキル
貿易事務の仕事では取引先の海外企業、社内の営業担当、入出庫担当、輸送業者、通関業者など、1人で複数の取引先を担当します。また、企業ごとに異なる手続きもあり、それぞれの場面に合わせた伝達能力が必要になり、コミュニケーションスキルが必要です。
コミュニケーションスキルは最初から備わっているものではなく、貿易事務の仕事をこなして行くうちに自然と身に付いてくるスキルです。自己分析では意外と見落としがちなスキルですが、転職先の企業への大きなアピールポイントとなるため、あなたの強みとして面接時にしっかりと伝えましょう!
タイムマネジメントスキル
貿易事務の業務では、国内外業者への「発注」「輸入通関の手配」「倉庫管理」「輸送管理」をすべて滞りなく段取りを行わなければなりません。海外とのやりとりは時差が生じるため、物事をスムーズに進められるタイムマネジメントスキルが重要です。
海外から国内へ物を動かすという一連の動作をスムーズに行える能力は、あなたの成功体験として具体的に伝えられるのではないでしょうか。
マルチタスク能力
貿易事務の仕事はルーティンワークの多い一般事務とは違い、交通や天候の影響による貨物遅延、数量変更など急を要する変更に速やかに対応しなければなりません。
予約の取り直しや配送プランの再考など、イレギュラーな状況に対しても慌てずに、複数の作業を同時進行で進めるマルチタスク能力も転職先で役立つスキルとなります。
よって、企業にとっては作業の効率化ができる重要なポジションの人材になるでしょう。
語学力
貿易事務の仕事は、書類のほぼすべてが英語文書でのやりとりです。海外に拠点のあるメーカーや商社の場合は、直接海外とのやりとりをメールや電話で任せられる場面もあり、日々の業務から自然と英語能力が養われています。
また、近年では業界のグローバル化に伴い、中国語ができる人材も重宝されるため転職の際に有利になります。
グローバルな視野
貿易事務として異文化を理解し、国際ビジネスの最前線で関わることで、グローバルな視点が養われます。国際情勢や為替の知識、原油価格の動向などあらゆる角度から物事を考えられる能力が身に付きます。
このような人材は、海外法人など外資系企業からの需要も高く、理想のキャリアを掴むチャンスがあるでしょう。
貿易事務からのおすすめの転職先5選
貿易事務からキャリアアップを目指す方向けのおすすめの転職先5選を解説します。
貿易事務からのおすすめ転職先①:通関士
筆者が貿易事務として働いていた時、社内には通関士の資格を持ったプロフェッショナルの派遣事務員さんがいらっしゃいました。仕事をテキパキとこなすだけではなく、貿易のスペシャリストとして貿易業務に関わることができる仕事です。
税関に通るための必要な書類の手続きから取引物の関税や消費税の有無、法令規則に基づいた品物なのかといった細かい審査を行います。通関士の資格は年に1回行われる国家試験に合格しなければならず、合格率は15%とかなり難しい分野ですが、グローバル化が進む近年では通関業者の数は増加傾向にあり、通関士の需要は高まっています。
貿易に関する専門知識が身に付くだけなく、収入アップも見込める職種です。通関業務に関わりながら国家資格取得を目指している方もいるので、実務と同時に学んで行くことも可能です。
あなたの貿易事務のスキルを活かして、プロフェッショナルの道に進んでみるのもキャリアアップにつながりますよ。
貿易事務からのおすすめ転職先②:国内企業のバイヤー
次に紹介するのが商品を海外で買い付ける「国内企業バイヤー」です。現地での買い付けに語学力は必須条件。また、商品買い付け後の輸送手配、在庫管理では貿易事務のスキルが充分に活かせます。
バイヤーの仕事は商品ニーズの把握、トレンドや消費動向の収集、マーケティング力が求められます。商品が売れると自分の努力や成果が数字として表れます。貿易事務では直接的な数字が成果につながることがないため、関わった仕事が数値化されるバイヤーの仕事は、大きなやりがいになるでしょう。
新しいことに常に敏感で、情報に対して高いアンテナを張っている人は挑戦してみてはいかがでしょうか?
貿易事務からのおすすめ転職先③:フォワーダー
フォワーダーとは荷主と運送人の間に立ち、運送人の運送手段を利用して国際輸送を引き受ける仕事です。貨物利用の運送手配の他にも通関業務、貨物の保管、梱包配送業務など国際物流に関わる業務を幅広く行います。
商社やメーカーでは航空貨物を扱う場面も多く、今までの貿易事務よりも大きなスケールで関わることができる仕事です。
今までの貿易事務の経験を活かし、国際物流に関わりながらプロフェッショナルとして仕事をしていきたい方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
貿易事務からの転職先おすすめ④:海外営業
英語力を活かして国際舞台で活躍したいなら、「海外営業」がおすすめです。自社の商品やサービスを海外の企業や個人にPRし、海外市場への販路拡大や販売促進をするのが主な役割。
貿易事務で培った英語力を発揮できるほか、英文書作成、コミュニケーション力が活かせる仕事です。海外営業の最大の特徴は、新しい市場に挑戦できるという点。未開拓の市場を拡大し、新規開拓して成果を上げれば達成感ややりがいを持って仕事に打ち込むことができるでしょう。
ビジネス英語や異文化の知識を深められるため、よりグローバルな分野で仕事をしたいという方にぴったりです。
筆者が選んだ転職先⑤:広告代理店営業
元貿易事務OLの私は、発送代行を行う広告代理店に営業職として転職しました。荷受け、輸送手配、倉庫管理といった国際物流の知識を活かせるだけでなく、コミュニケーション能力も評価していただいたと考えています。
クライアントへの営業活動はもちろん、顧客情報管理から商品の在庫管理、梱包、発送手配、返品対応まですべて一人で担当し、新規営業で顧客を獲得するなど貿易事務とは違った形で目に見える成果を感じられる企業でした。
時には新規獲得のテレアポ、交流会に参加し、様々な人脈を築いてお仕事を任せてもらえることも。
「発送業務がスムーズに進んだ」「コストが抑えられた」とクライアントから感謝され、仕事にやりがいを持つことができました。
まとめ
貿易事務で身に付いたスキルは、次の転職先企業に向けて充分アピールできる能力です。キャリアアップしたい、新しい市場でチャレンジしてみたいという方は、あなたの経験がきっと役に立つことでしょう。
この記事を参考にしてあなたのスキルを最大限に引き出し、転職先へアピールしてみましょう。きっとあなたが臨む転職先への近道になるはずです。
あなたの転職活動がうまくいくことをお祈りしています。