暑い日が続くと外出時はもちろん、家の中でも水分補給は必須ですよね。
我が家では毎日2Lの麦茶を沸かして、冷蔵庫に常備しています。
「カフェインが含まれているお茶は身体に悪い」
「利尿作用がある飲料は水分補給に向いていない」
このような話を聞いたことはありませんか?そこで今回は、
- 麦茶にカフェインは入っているの?
- 利尿作用があるの?
- 水分補給に麦茶はダメ?
このような疑問を徹底解説します。また、
- 麦茶の効果
- 水分補給時のポイントと注意点
- おすすめのノンカフェイン飲料
も紹介します。
暑い夏を快適に過ごすために、ぜひこの記事をご活用ください!
麦茶とは?
麦茶とは、大麦を原料としたお茶のこと。麦の香ばしい香りが特徴で、冷蔵庫に常備している人も多いですよね。
大麦の粒が粉砕されたティーバッグ状のものが一般的で、煮出しや水出しで簡単に作れます。その歴史はとても古く、戦国武将も飲んでいたと伝えられており、緑茶の普及よりも早いと言われています。
麦茶にカフェインは入っているの?
茶葉を原料とする緑茶やウーロン茶、紅茶にはカフェインが含まれていますが、
穀物が原料の大麦には
カフェインは含まれていません。
そのため、小さなお子様や妊婦さん、授乳中の方も安心して摂取できます。
カフェインが入っているドリンクは水分補給に向かない?
コーヒーや緑茶といったカフェインを含む飲料は、摂取すると心が落ち着いたり、頭がさえたりして、リラックスしたい時に飲む方もいらっしゃいますよね。しかし、カフェインは過剰摂取により中枢神経が刺激され、以下のような症状を引き起こします。
カフェイン過剰摂取による症状
- めまい
- 心拍数の増加
- 興奮
- 不安
- 震え
- 不眠
そのため、厚生労働省は、妊婦のカフェイン摂取を一日あたり200mgと、上限を定めています。(参照:厚生労働省)カフェイン入りのドリンクは過剰摂取につながるため、熱中症対策の水分補給には向いていません。
利尿作用もある!
さらに、カフェインは水分の排出を促進する「利尿作用」があり、水分補給をしたつもりでも、気が付かないうちに水分の吸収が阻害されて、脱水症状を招いてしまう危険性も。水分補給を目的として摂取するなら、ノンカフェインのドリンクが最適です。
麦茶には利尿作用はないの?
カフェインが含まれている飲料は、すぐトイレに行きたくなる人も多いですよね。
麦茶はノンカフェインだから、
利尿作用はない!というのは間違い。
麦茶に含まれているカリウムは、余分なナトリウムを尿として排出する利尿作用があります。しかし、麦茶の利尿作用は、カフェイン飲料のように脱水症につながる強い利尿作用はありません。
水分を排出してくれるので、むくみやすい人にもぴったりの飲み物なのですよ!
水分補給に麦茶はダメ?
巷では、
熱中症対策に麦茶は向いていない
水分補給として麦茶はダメ
というような噂もありますが…。
麦茶はカフェイン飲料のような強い利尿作用のない、穀物由来のノンカフェイン飲料です。そのため、
「水分補給に麦茶はダメ」
という情報は間違い
麦茶は、覚醒作用のあるカフェインや、刺激の強いタンニンを含まないので、乳児から妊婦、高齢者まで安心して飲めるドリンク。口当たりも良くさっぱりとして美味しいので、夏の水分補給に最適です。
麦茶の8つの効果
水分補給に麦茶はダメではなく、むしろ積極的に摂取していきたいドリンクです。麦茶の8つの効果について見ていきましょう!
①麦茶にはミネラルが豊富
(画像引用:伊藤園)
麦茶には、体の機能を正常に保つ「ミネラル」が豊富です。ミネラル不足になると体内のバランスが崩れて、
低体温・貧血・肌荒れ・肩こり・口内炎・免疫低下
などの体調不良を引き起こします。
身体が疲れやすくなり、イライラすることも。ミネラルは体内で合成できないので、食物や飲料で摂取する必要があります。
汗によって体のミネラルバランスが崩れた時に、ミネラルを多く含む麦茶は水分補給としてぴったりの飲料です。
②美肌効果
麦茶には、美肌ミネラルと呼ばれている
- 「亜鉛」
- 「ケイ素」
が含まれています。
「亜鉛」…しみ、そばかすの原因となるメラニンの形成を抑える働き、ホルモンバランスを整えるため、肌荒れや生理不順にも効果的な成分です。
「ケイ素」…コラーゲンを強化し、肌のたるみを防いでハリのある美肌効果が期待できます。
マイボトルに入れて気軽に飲めるのもいいですね!
③身体を冷やしてくれる
麦茶には、カリウムの利尿作用で尿と一緒に身体の熱が体外に排出されるため、体温を下げる効果があります。
麦茶は水分補給だけではなく、暑さで火照った身体にも最適です。
④高血圧予防
麦茶に含まれるアミノ酸の一種GABA(ギャバ)は、血栓を作りにくくして血流を促進するため、高血圧予防にも効果的。GABAには、脳の興奮を抑えて、気持ちをリラックスさせる効果もありますよ。
勉強や仕事の合間にもぴったりですね!
GABAの効果は、こちらの記事でも解説しています。
⑤抗酸化作用でアンチエイジング
麦茶には、ポリフェノールの一種である抗酸化作用のある成分も含まれています。
- 「カテコール」
- 「ゲンチジン酸」
皮膚や粘膜を劣化させる活性酸素の働きを抑制するので、皮膚のアンチエイジングだけではなく、がんや生活習慣病といった病気の予防にも役立つとされています。
⑥血液サラサラ効果
焙煎した麦茶の香ばしい香り成分である「アルキルピラジン」は、血液サラサラ効果があります。麦茶を飲んだ後の血液流動性を測定した実験では、飲用後90分間で血液の流動性が向上したという結果も。
麦茶の香りが強いほど効果が高いと言われているため、
- 血行不良による肩こり
- 冷え性
- 肌荒れに悩む方
におすすめですよ!
⑦胃の粘膜を守る
胃の粘膜を傷つけたマウスに麦茶を投与すると、胃の傷が緩和したという実験結果も出ています。麦茶は空腹時や胃酸による胃へのダメージを軽減してくれる効果が期待できます。
食欲不振にも有効なので、夏バテ予防にもおすすめです。
⑧便秘改善
麦茶の原料である大麦には食物繊維が豊富です。水溶性と不溶性の食物繊維がバランスよく含まれているため、腸を活性化させて腸内環境を整えます。
水分補給時のポイント
麦茶は水分補給に向いている飲料です。より効率的に摂取するための、ポイントと注意点をまとめました。
熱中症対策なら塩分も一緒に
熱中症対策として麦茶で水分補給をする場合、大量の汗によって失われた塩分を補給する必要があります。
- 塩分チャージ
- タブレット
- 熱中対策キャンディー
などを塩分も一緒に摂取しましょう。
また、高温の屋内外で30分以上の長時間労働やスポーツをする場合は、ナトリウムやミネラルを素早く補給できる「経口補水液」を常備しておくと安心です。
炎天下では「塩麦茶」がおすすめ
大量に汗をかくシーンでは、ナトリウム不足になります。麦茶1Lに1〜2gの塩を混ぜた「塩麦茶」は、熱中症対策ドリンクとしておすすめです。
夏バテ気味には「うめはち麦茶」
(画像:ウェザーニュース)
夏の暑さで体がだるい、食欲不振といった夏バテ症状がある方は「うめはち麦茶」がいいですよ。
【作り方】
- 梅干しをはちみつに3日間浸す
- 麦茶1杯に梅干し1粒とはちみつ大さじ1を入れる
梅干しに含まれる疲労回復効果のクエン酸と、水分補給を促進するはちみつの甘さでとても飲みやすいですよ。
喉が渇く前に飲む
水分補給は、喉が渇く前に飲むことが大切です。仕事や運動に集中していると、ついつい麦茶を飲むのを忘れてしまいがち。
体内の水分量の5%が失われると脱水症状がおこると言われており、喉が渇いてから水分補給をしても、すでに熱中症になっている場合があります。特にお子さまや高齢者の方は、喉の渇きを感じづらいため、適度に声掛けをして水分補給をしましょう。
一度にたくさん飲まない
喉が渇いたからと言って、一度にがぶ飲みしたらダメな水分補給となってしまうことも。
一回に摂取できる水分量は、200〜250ml(コップ一杯程度)
厚生労働省によると成人が一日に必要とする水分量は、1日に1.2L。(参照:厚生労働省)一度にたくさん飲まず、コップ1杯の麦茶をこまめに摂取することが大切です。
就寝前、起床時はしっかり水分を摂る
睡眠中は、汗や呼気から500ml、多い時は1Lもの水分が失われます。睡眠中は脱水状態になりやすいため、夜間熱中症を発症する恐れも。
夜間熱中症は脳梗塞のリスクも高まるため、就寝前や起床時はコップ1杯の水分補給をする習慣をつけましょう。
麦茶を飲むときの注意点
こちらの章では、麦茶を飲むときの注意点をまとめています。
冷たすぎる麦茶に注意
キンキンに冷やした麦茶に氷を入れてごくごく飲んで、火照った身体を冷やしたい方もいますよね。
しかし、冷たすぎる麦茶は必要以上に体温を下げてしまい、お腹が緩くなったり、夏バテの原因になったりすることも。ダメな水分補給にならないためには、胃腸に負担のかからない常温摂取がおすすめです。冷房の効いた部屋では、冷え性対策として温かい麦茶もいいですよ。
衛生面に注意
麦茶を作る際は、熱湯消毒可能なガラス容器がおすすめ。また、麦茶パックを入れたままにしていると、そこから雑菌が繁殖する場合があるので、抽出し終わったらパックは必ず取り出しましょう。
作り置きした麦茶は2~3日で飲み切ろう
穀物である麦茶は、緑茶に比べると劣化しやすいので注意が必要です。水出しや煮出して作った麦茶は当日中に飲み切ることを推奨します。
作り置きしたい場合は、冷蔵庫に保存してから2〜3日以内に飲み切るようにしましょう。
おすすめのノンカフェイン飲料
麦茶以外に水分補給にぴったりのノンカフェインの飲料と、特徴をまとめました。
ノンカフェイン飲料 | 特徴 |
黒豆茶 | 香ばしい大豆の香りが特徴的 冷え性、むくみ改善に |
そば茶 | そば独特の香味が楽しめる ポリフェノールが多い 生活習慣病予防に |
ルイボスティー | アフリカ原産の豆科の植物 甘い香りと爽やかさのある味 リラックス効果 |
タンポポ茶 | タンポポの根を乾燥させて焙煎したお茶 コーヒーのような風味があるのでタンポポコーヒーと呼ばれている デトックス効果 |
杜仲茶(とちゅうちゃ) | 杜仲の葉を煎じたもの クセがなく甘みがあるお茶 むくみ改善に |
甜茶(てんちゃ) | 中国茶の一種で木の葉から作られる甘いお茶の総称 花粉症や喘息症状の緩和に |
麦茶以外の水分補給として、取り入れてみてくださいね!
まとめ
麦茶にカフェインは入っているの?利尿作用があるの?という疑問について詳しく解説してきました。麦茶はノンカフェイン飲料で、利尿作用はあるもののカフェイン飲料ほど強いものではなく、脱水症状になる心配はありません。
水分補給に麦茶はダメというのは間違いで、むしろノンカフェイン飲料として水分補給に最適です。熱中症予防としての水分補給だけではなく、8つの効果が期待できます。
麦茶を飲むときは、
- がぶ飲みしない
- こまめに飲む
- 喉が渇く前に飲む
- 常温で飲む
ことに気を付けて飲むといいでしょう。暑い夏を乗り切るために、適度に水分補給をして快適に暮らしていきたいですね。
ご覧いただきありがとうございます。