寝ている時の食いしばり対策としてよく推奨されるのが、マウスピースの使用です。しかし、近年では医療機関からも、
「マウスピースが逆効果になる」
ことが指摘されています。
この記事では、歯科医院や大学病院など医療機関の情報をもとに、食いしばり用のマウスピースの逆効果の事例や6つのデメリットについて詳しく解説します。
また、マウスピースが逆効果にならないための効果的な対策法も紹介します。
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マウスピースの6つのデメリット
食いしばり対策として多くの医療機関で推奨されている「マウスピース」ですが、歯への負担を軽減できるメリットがある一方で、デメリットも存在します。こちらの章では、マウスピースを導入する前に知っておきたい「6つのデメリット」について解説します。
①コストがかかる
食いしばりや歯ぎしり予防を目的としたマウスピースを歯医者で作成する場合、保険適用が認められているものの、
4,000円~5,000円程度
かかります。また、マウスピースを作成後、6カ月以内に破損した場合は、自費での負担で再作成する必要があるためコストがかかる点がデメリットとなるでしょう。
②眠れない・違和感がある
寝ている間につけるマウスピースは「ナイトガード」と呼ばれています。ナイトガードは、食いしばりによる歯や顎への負担を軽減し、慢性的な頭痛や肩こり改善にも効果的です。
しかし、装着時の違和感から無意識に外してしまう場合や、不快感により眠れない状態になるなど逆効果となる可能性もあります。
③顎の痛み・口の渇き
就寝時にナイトガードをつける際、普段とは違う位置で歯ぎしりや食いしばりをするため、朝起きた時に顎の痛みや口の渇きを感じる人もいます。マウスピースを口内に入れることで嚙み合わせが高くなり、口が閉じにくくなることが原因です。
口を開けて寝ると、
- いびきの原因
- 細菌やウイルス感染
- 睡眠の質の低下
などさまざまなデメリットを引き起こします。
④定期的なメンテナンスが必須
マウスピースを使い続けていると、割れてしまったり穴が開いてしまったり徐々に消耗していきます。そのため、定期的なメンテナンスを怠ると、
- 食いしばりの力が分散できない
- 噛み合わせにズレが生じる
このような逆効果のリスクが伴います。噛み合わせがズレることで、頭痛、肩こり、腰痛など全身のバランスが悪くなり、さらには、イライラや不眠など心の不調まで引き起こす場合があるため注意が必要です。
⑤細菌感染症のリスク
食いしばりによりマウスピースの表面に傷がつくと、細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病、口内感染症のリスクが高まります。また、カビが口内に繁殖すると口臭の原因になることも。
そのため、マウスピースは毎日丁寧なお手入れが欠かせません。
⑥食いしばりが完全に治るわけではない
食いしばりや歯ぎしりの予防目的でマウスピースを導入する人もいるでしょう。しかし、マウスピースは、歯や顎へのダメージを軽減することが本来の目的です。そのため、
食いしばりを完全に治すものではありません
食いしばりや歯ぎしりは、ストレスが原因で起こるとも言われています。マウスピースを装着することで余計にストレスを感じ、逆効果となる可能性もあります。
導入する際はデメリットを理解した上で、医師と慎重に相談しましょう。
逆効果になるマウスピースの種類
ここまでは、食いしばり用マウスピースの導入にあたり6つのデメリットがあることを解説しました。実は、マウスピースの種類によっては、『逆効果』となる可能性があります。
こちらの章では、逆効果になるマウスピースの種類について詳しく解説します。
スポーツ用のマウスピース
(画像引用:Amazon)
「食いしばりにマウスピースがいいらしい」と聞いてスポーツ用のマウスピースを代用している人は要注意!
スポーツ用のマウスピースは、ゴム製の柔らかい素材が多く使われています。そのため、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりには耐久性が足りない場合も。
柔らかいマウスピースを付けて寝ると、逆に食いしばりの力が強くなるという検証結果も報告されています。(参考:おくだ歯科医院)
歯列矯正用のマウスピース
歯ぎしり・食いしばり用のマウスピースは、すり減りを防止するため1~2mmほどの厚みです。一方で、歯科矯正用のマウスピースは、0.5mmとかなり薄く作られています。
歯科矯正用は、歯を動かして歯並びを整える目的で作られていますが、歯ぎしり・食いしばり用は、歯並びに合わせて型を取り、顎が安定しやすい形に製作されています。
違う目的で作られたマウスピースを、個人の判断で使用するのは危険を伴いますので気を付けてください。
セルフタイプのマウスピース
(画像引用:楽天)
市販のマウスピースは、沸騰させたお湯で樹脂プレートを温め、自分の歯に合わせて成型するセルフタイプがあります。
歯医者に行かなくても手軽に試せるという理由から、購入を考えている人も多いでしょう。
しかし、口コミを見てみると、
- 自分ではうまく型が取れない
- 歯茎にあたって炎症を起こした
- カットしてもうまく調整できず結局歯医者で作り直した
という声もあります。口腔内はとてもデリケートな器官です。
お口の健康は全身の健康状態にも大きな影響を与えるため、トラブルを招く恐れのあるセルフタイプのマウスピースは、食いしばり用としての治療が逆効果となる可能性があるので注意が必要です。
逆効果にならないための対策法
食いしばりのマウスピースが逆効果にならないためには、以下のような対策方法を意識することが大切です。
一定の忍耐が必要
マウスピースの装着時の違和感については、多くの医療従事者が「1~2週間で慣れる」としています。(参考:おくだ歯科医院)マウスピースに慣れてくると、違和感が緩和され使い心地が改善されます。
慣れるまでの期間は個人差がありますが、効果を実感するためには一定の忍耐が必要です。
医師に相談しよう!
市販のマウスピースは安く手軽に使用できる点がメリットですが、中には、
臭いがきつくて吐きそう
分厚くて顎が余計に痛くなった
といった声もあります。安全性や衛生面を考慮すると、歯科医院で自分の歯型に合ったマウスピースを作ってもらうことをおすすめします。
正しいお手入れで清潔に使おう!
マウスピースは熱に弱いため、煮沸消毒は厳禁です。沸騰したお湯にマウスピースを漬けると、変形や溶解のリスクがあります。
また、研磨剤入りの歯磨き粉での洗浄は、マウスピースに傷がつくため推奨されていません。
(画像引用:ブルーリーフ歯科)
毎日のお手入れは、水またはぬるま湯を使用してやわらかい歯ブラシで軽くこすって汚れを落としましょう。汚れが気になる場合は、マウスピース専用の洗浄剤を使用すると効果的です。
洗浄後は水分をしっかりとふき取り、専用のケースで高音多湿の場所を避けて保管してください。
マウスピース以外の改善方法
食いしばりは、生活習慣で改善することも可能です。
- 「食いしばらない」ように意識する
- 枕を低くして仰向けで寝る
- ガムを噛む
- ボトックス治療
- タバコやコーヒーなど精神が興奮するものを控える
- ストレスを溜めない
食いしばりは、気が付かないうちに上下の歯を強く噛みしめている状態が続きます。そのため、日常的に顎の力を抜き、歯をかみ合わせないように意識することが大切です。
また、高い枕を使用している人は首に角度が付いて奥歯を嚙みしめる姿勢になりやすいため、枕を低くし仰向けで寝ると奥歯に圧力がかかるのを防げます。興奮する作用のあるものの摂取は控え、リラックスした状態で眠りにつけるようにしましょう!
まとめ
食いしばり用のマウスピース実は逆効果だった!?6つのデメリットと対策方法について解説しました。食いしばり用のマウスピースには6つのデメリットがあり、種類によっては逆効果になることもあります。
しかし、使い慣れてくれば、歯茎や歯への負担は大きく軽減できるアイテムのひとつです。マウスピースだけに頼らず、生活習慣も意識すれば食いしばりの習慣が改善されるかもしれません。
症状が気になる方は、歯科医師に相談してみましょう!ご覧いただきありがとうございます。